見積もり前に知っておくべき!格安ホームページ制作の裏に隠されたリスク

見積もり前に知っておくべき格安ホームページ制作のリスク

「ホームページを作りたいけど、できるだけ費用は抑えたい」

経営者であれば、そう考えるのは当然のこと。無駄な経費を使いたい人なんていませんよね。

私は以前、サロン経営をしているお客様からご相談をいただき、その方は「5万円」という破格の料金でホームページを作ったそうです。

しかし、完成したサイトを見せていただくと、、、

  • スマホで文字が崩れて消える
  • 肝心のお問い合わせボタンが分かりづらい
  • 内部的なSEO(検索エンジン最適化)対策が全くされていない

という状態でした。

お客様は悲しそうにこう言いました。

「安く済ませたつもりが、結局1年間、誰からも問い合わせが来なかったんです…」

実は、Web制作の現場にいる私たちからすると「格安」には必ず「理由」があります。

スーパーの野菜が見切り品になるのとはわけが違います。Web制作における安さは、あなたのビジネスの未来を削り取っている可能性があるのです。

この記事では、プロの視点から「格安制作の裏側にあるリスク」を包み隠さずお話しします。

これを読むことで、あなたは「安物買いの銭失い」になることなく、本当に売上に繋がる正しい投資判断ができるようになると思います。

目次

【本質】なぜ格安制作は「安い」のか?— 費用から削られた3つの要素

まず、Web制作の費用がどのように決まるかご存じでしょうか?

「デザイン費」や「コーディング費」という言葉が並びますが、その本質は「プロがあなたのビジネスのために使う時間と頭脳の量」です。

つまり、価格が極端に安いということは、以下の3つの重要な要素がごっそり削られていることを意味します。

1. ビジネス「戦略」と「企画」が削られている

本来、ホームページは、作る前から準備が必要です。

  • 「誰に売るのか?」
  • 「他の会社(お店)より優れている点は何か?」
  • 「どんな言葉ならお客様に響くか?」

私たちはこうした調査や設計に、何十時間もの時間を費やします。

ですが、格安制作の場合はどうでしょうか。

この「考える時間」がほぼゼロなんです。

ヒアリングはなく「とりあえず形があればいいですよね?」というスタンスで作られるため、「見た目は綺麗だけど、誰にも響かない箱」ができあがります。

2. オリジナルデザインと「将来の拡張性」が削られている

格安制作の多くは、既存の「出来上がっているテンプレート」を使い回しています。

写真と文章を入れ替えるだけなので、当然早く、安くできます。

しかし、ここには大きな落とし穴があります。それは「拡張性のなさ」です。

あなたの事業が成長してお客様が増え、「新しく採用ページを作りたい」「予約機能を追加したい」と思ったとき、テンプレートの制限に引っかかり、「今のままでは無理です。1から作り直しですね」と言われてしまうのです。

最初の数十万円をケチった結果、数年後に百万円以上の建て替え費用がかかるケースを、私はたくさん見てきました。

3. 公開後の「責任」と「サポート」が削られている

Webサイトは作って終わりではありません。むしろ、公開してからがスタートです。

しかし、格安業者のビジネスモデルは「薄利多売」。

一度納品した案件に関わる余裕はないため、「公開後のサポートは少ない」というスタンスが一般的です。

ある日突然サイトが表示されなくなっても、連絡がつかない…なんてことも珍しくありません。

【最大のリスク】格安制作の結果、停滞させる3つの具体的デメリット

「そのくらいのデメリットなら、まだマシでしょう」

もしそう思われたなら、少しお待ちください。

ここからは、実際に私が相談を受けた「格安制作を選んでしまったがゆえに起きた、恐ろしいトラブル」の実例をご紹介します。

これは全て実際にあった話です。

デメリット①【売上直結】「サイトはあっても売れない」機能不全の結末

ある飲食店経営者様のエピソードです。

「ホームページを作ったのに問い合わせからメールが来ない」と相談を受け、サイトを診断しました。

確認すると、驚くべき事実が判明しました。

  • スマホで見るとメニューの文字が画面の外に出て読めない。
  • 問い合わせページに「予約する」ボタンを押したらエラー画面が出る。

これでは、お客様が予約したくてもできません。

格安で作った結果、1年間も「予約が入らないサイト」を放置し、数百万円規模の売上機会を逃し、更にサーバー・サイトの維持費を無駄に支払い続けていたのです。

デメリット②:【維持費増大のリスク】「ちょっとした修正で毎回高額請求」の罠

月額管理費は数千円だから安心

と思っていた、とある飲食店の事例です。

年末年始の営業時間のお知らせをサイトに載せようと制作会社に連絡したところ、

「その修正作業には5万円かかります」と言われたそうです。

「えっ、文字を数行変えるだけなのに?」

驚いて理由を聞くと、システムが特殊で、私たちしか触れないとのこと。

格安制作では、初期費用を抑えるために、以下のいずれかの手法が取られがちです。

  1. CMS(WordPressなどの管理画面)を導入しない
    → そもそも自分で更新できる仕組みがない。
  2. 独自の複雑な簡易システムを使う
    → 他社に管理させないように囲い込む。
  3. 過度なオリジナルコーディングやAI生成コードに依存する
    → 大量のコードがあり、どこを直せばいいかわからない。

特に3つ目の過度なオリジナルデザインのコーディングやAI生成コードによるサイトは見栄えが良く、最初の名刺代わりのサイトとしては十分だと思っています。ですが、その後の更新で難航します。

なぜなら、単なる文字の修正であっても、コードを読み解き、影響がないか解析するといった高度な専門知識が必須になるからです。

結果として、ちょっとした更新のたびに外部の専門家に依頼せざるを得ず、「人質に取られたような状態で高額な作業費を請求され続けることになります。

年間で見ると、当初の予定をはるかに超える維持費を払い続け、「自由な更新」というビジネスの生命線を失うことになるのです。

デメリット③【信用失墜のリスク】ある日突然、サイトが乗っ取られる

これが、私が実際に担当した中で最も恐ろしかった事例です。

「サイトが古くなったのでリニューアルしたい」とご連絡をいただいた企業様。

お客様のホームページを確認したところ、不審なコードが埋め込まれ、ユーザーを怪しいサイトへ誘導する仕組みに書き換えられていることが判明しました。

原因は、今普及しているCMS(コンテンツ管理システム。WordPressなど)を使っており、公開から何年もセキュリティアップデート(更新)を一切行っていなかったことです。

フリーランスによる格安制作で、サイト保守契約もしておらず、さらにサイト保守についての説明もなかったとのこと。

一番問題だったのは、「見た目上は普通にホームページが動いていて、ハッキングに気づかなかった」こと。

調査の上、「お客様のサイト、改ざんされています」と連絡し、マルウェア除染作業から行いましたが、

本人の気づかないうちに、Googleの検索結果にも表示されず、信用が落ち続けていたのです。

ハッキングによる致命的な悪影響

  • 顧客の被害と信用失墜
    サイト訪問者が不審なサイトへ誘導され、顧客情報が抜き取られる可能性が生じ、アクセス・信用低下につながります。
  • Googleからのペナルティ
    Google検索から危険なサイトと認識され、検索結果に一切表示されなくなります(インデックス削除)。
  • 復旧の高額なコスト
    サイト閉鎖、汚染ファイルの除染、システムの再構築、そしてGoogleへの信用回復申請など、多大な時間と専門的な作業が必要となり、当初の格安費用の数倍〜十数倍の復旧コストが発生します。

あなたの気づかないうちに、ビジネスの信用が落ち続け、集客の生命線が絶たれていた

これこそが、格安制作がもたらす最大の「見えない損失」なのです。

失敗を回避する!見積もりを見る前に持つべき「投資の視点」

怖い話ばかりで申し訳ありません。

ですが、私はお客様に同じ失敗をしてほしくありません。

では、どうすれば良い制作会社を見極められるのでしょうか。

成功している経営者は、見積もりの金額を見る前に、必ず「価格以外の部分」を確認しています。

プロを見極める4つの質問

以下の4つの質問を、ぜひ制作会社に投げかけてみてください。

  • 「私のビジネスやターゲットにしているお客様について、話を聞いてくれますか?」
    サイトの見た目ではなく、あなたのビジネスについてヒアリングがあるか確認しましょう。
  • 「ウェブサイトの更新や管理は自分でも簡単にできますか?」
    お知らせやブログなど、日常的な更新を自分でできる仕組みを提案してくれるかが重要です。
  • セキュリティ対策は見積もりに含まれていますか?
    暗号化やバックアップなど、サイトを守るためのコストが入っているかチェックしましょう。
  • ドメイン(URL)の所有名義や、完成したサイトデータの一式を頂けますか?
    制作会社の所有物になっていないか、納品後も自分で自由にできるか確認しましょう。

Webサイトの集客は、すぐに校歌が出る魔法ではありません。ですが、正しく作り運用を続けることで、24時間365日働き続け、あなたの代わりに営業してくれる「資産」へと育ちます。

あなたのビジネスに貢献するWebサイトの第一歩

ここまで読んでいただき、ありがとうございます。

厳しいこともお伝えしましたが、それは私がWebの力で中小企業を元気にしたいと願っているからです。

「格安」という甘い言葉に惑わされて、あなたの大切な時間と資金を浪費してほしくありません。

もし今、「自分のサイトは大丈夫だろうか?」「これから作るけど、何から始めればいいか分からない」と不安を感じているなら、一人で悩まないでください。

私は、単にホームページを作るだけの業者ではありません。

あなたのビジネスを深く理解し、どうすれば売上が上がるのか、どうすれば業務が楽になるのかを一緒に考えます。

最初の一歩は面倒かもしれません。

でも、その一歩が、あなたのビジネスを大きく飛躍させるきっかけになると信じています。

行動への一歩を踏み出しましょう

「分かったけど、専門的なことはやっぱり不安だ…」「もう失敗したくない」

そう感じたら、無理をする必要はありません。

私たちは、Web制作や集客の課題を抱える中小企業経営者や個人事業主の方々の不安を解消し、これまで数多くサポートしてきました。

複雑なWeb制作や集客も、あなたの事業に合わせ、二人三脚で伴走します。

まずは、あなたの悩みを私たちに聞かせてください。

あなたのサイトにおける「無駄なコスト」と「集客を最大化するポイント」を、正直にお伝えします。

この記事を書いた人

Umi Designの技術・改善担当。
システムエンジニアとして活動しながら、制作の裏側を支えています。主に既存サイトの調査やSEO・技術的な改善を行っています。

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