【動物病院の集客方法】新規・リピーターを増やすための戦略

【新規・リピーター】動物病院の集客方法

「競合の動物病院は増えているのに、ペットの数は減っている…」
「昔と同じやり方では、新しい飼い主さんに来てもらえない…」

そんなお悩みを抱えていませんか?

ホームページやSNSが良いとは聞くけれど、何から手をつければいいのか分からず、日々の診療に追われて後回しになっている方も多いはずです。

しかし、自院の状況に合った正しい戦略で集客をおこなえば、安定して新しい患者を増やし、リピーターにすることが可能です。

本記事では、多くの動物病院が抱える集客の課題を整理し、明日から実践できる具体的な集客方法をオンライン・オフラインの両面から網羅的に解説します。

施策を始める前の準備から、新規・リピーターそれぞれの獲得方法まで、分かりやすくお伝えします。

目次

動物病院の集客課題

動物病院の経営では、多くの院長やスタッフが集客に関する共通の課題に直面します。

具体的には、以下のような点が挙げられます。

  • 競合の増加と価格競争の激化
  • 地域内認知の限界
  • 獣医師やスタッフの不足

ここでは、それぞれの課題について詳しく解説します。

競合の増加と価格競争の激化

農林水産省の「飼育動物診療施設の開設届出状況」によると、動物病院の数は長期的に増加傾向です。
その結果、限られた地域の飼い主を複数の病院で取り合う構図が生まれ、競争が激しくなっています。

健康診断や予防接種といった標準的なサービスは、飼い主から見ると病院ごとの差が分かりにくいため、比較しやすい「価格」や通いやすい「診療時間」で選ばれる傾向があります。

そのため、近隣に新しい病院が開業すると、価格競争に陥りやすくなるのです。

価格だけで差をつけようとすると、利益率が下がり経営を圧迫します。

そのため、専門分野や診療方針といった価格以外の価値で、いかに自院の魅力を伝えていくかが重要です。

参照:農林水産省「飼育動物診療施設の開設届出状況」

地域内認知の限界

動物病院の集客範囲は、物理的な距離に大きく影響されます。

ペットの体調不良は緊急を要する場合が多く、飼い主は「何かあったときにすぐに連れて行ける距離」を重視するためです。

その結果、以下のような課題に直面します。

  • 集客範囲が病院周辺に限定される
  • 幹線道路沿い以外の立地は不利になる
  • Web検索ですぐに見つけてもらえない

これらの課題を乗り越えるには、Webでの情報発信が欠かせません。

ホームページや地図アプリ(Googleビジネスプロフィール)への掲載を強化すれば、これまでアプローチできなかった少し離れた地域の飼い主にも、自院の存在や魅力を届けられます。

専門性の高い情報を発信することで、遠方からでも来院してくれる患者の獲得も期待できるでしょう。

獣医師やスタッフの不足

獣医師や動物看護師といった専門スタッフの不足も、集客における大きな課題の一つです。

日々の診療業務に追われ、集客活動のための計画を立てたり、実行したりする時間や人員を確保するのが難しいという現実は、多くの病院が抱える悩みでしょう。

人手不足は、単に集客活動ができないだけでなく、診療の待ち時間を長くさせ、結果的に飼い主の満足度を下げてしまう原因にもなります。
満足度が下がれば、ネガティブな口コミにつながり、新規の患者が来院をためらう要因にもなりかねません。

この問題に対しては、採用活動そのものを集客の一環と捉える視点が有効です。

「働きやすい環境」や「充実した教育体制」などを外部に発信することは、優秀なスタッフの採用につながるだけでなく、飼い主に対しても「スタッフを大切にする信頼できる病院」という安心感を与えます。

動物病院が集客戦略を実行する前に確認しておくべきこと

やみくもに集客のための施策を始めても、思うような成果は得られません。
時間やコストを無駄にしないためにも、集客戦略を実行する前に、以下の5つの点を確認しましょう。

  1. 目的・目標の明確化
  2. ターゲットの明確化
  3. 現状の集客状況の把握
  4. 競合状況の把握
  5. 予算・リソースの確認

ここでは、それぞれ具体的に何をすべきかを解説します。

1.目的・目標の明確化

まず最初に、集客の目的を「新規患者の獲得」と「既存患者のリピーター化」のどちらに重点を置くか、あるいは両方をバランス良く目指すのかを決めます。

その上で、「いつまでに」「どのくらい」達成したいのか、具体的な数値目標と、追うべき指標(KPI)を設定することが大切です。

目標の種類具体的な数値目標の例追うべき指標(KPI)の例
新規患者獲得半年後までに新規患者数を月15人増やす新規患者数、HPからの問い合わせ件数
リピート率の向上既存患者のリピート率を現状の70%から80%に引き上げるリピート率、LINEの友だち数
両方のバランス新規月10人増、かつリピート率を75%に維持する上記の指標を複合的に追う

目的によって、打つべき施策や注目すべき指標は変わります。

だからこそ目標を明確にすることで、施策の方向性が定まり、後から効果を正しく評価できるようになるのです。

2.ターゲットの明確化

次に、どのような飼い主に来院してほしいのか、理想の患者像(ペルソナ)を具体的に設定しましょう。

「誰にでも」来てほしいと考えるのではなく、自院の強みや特色が最も響くであろうターゲットに絞り込むことが、結果的に集客効果を高めます。

例えば、以下のような設定が考えられます。

ターゲット層特徴とニーズ
初めての飼い主20代単身女性。手厚いフォローやしつけ相談を求めている
猫専門の飼い主30代共働き夫婦。猫の慢性疾患に関する専門知識を求めている
シニアペットの飼い主60代夫婦。高齢ペットの介護や終末期医療に悩んでいる

ターゲットを具体的にすることで、その人たちがどのような情報を求めているのか、どの媒体を利用しているのかが想定しやすくなります。

発信するメッセージの精度が上がり、飼い主の心に響くアプローチが可能になるでしょう。

3.現状の集客状況の把握

効果的な戦略を立てるには、まず自院の現時点での状況を知る必要があります。
感覚だけに頼るのではなく、データに基づいて現状を正確に把握しましょう。

具体的には、以下のような項目を記録・分析します。

  • 月間の新規・リピート患者数
  • 患者の主な居住エリア(住所分布)
  • 来院のきっかけ(Web検索、紹介など)
  • 患者単価や平均来院回数

まずは問診票に「当院を何で知りましたか?」という項目を追加するだけでも、貴重なデータが集まります。

現状を分析することで、自院の強みや弱みが客観的に見え、どこに力を入れるべきかという課題が見えてくるでしょう。

4.競合状況の把握

自院のことだけでなく、商圏内にある他の動物病院がどのような特徴を持ち、どのような集客活動をしているのかを調査することも大切です。

競合を調査する際は、以下の項目をチェックするのがおすすめです。

  • 診療内容と得意分野
  • ホームページやSNSでの発信内容
  • Googleマップの口コミ評価
  • 設備やサービスの特色(夜間対応など)

競合の強みだけでなく、弱みや手が回っていない領域を分析することで、自院がアピールすべき独自の価値や、新たなサービスのヒントが見つかります。

他院との比較から、自院だけのポジショニングを確立していきましょう。

5.予算・リソースの確認

最後に、集客活動にかけられる費用と、誰が・どのくらいの時間をかけて担当するのかを計画します。
素晴らしい計画を立てても、実行できなければ意味がありません。
継続できる体制を整えることが何よりも大切といえます。

例えば、
「月々の広告宣伝費の上限を3万円に設定する」
「SNSの更新はスタッフの〇〇さんが1日15分担当する」
といったように、具体的な数字と役割分担を決めます。
最初から多くの予算をかける必要はありません。

まずは、後ほど紹介するGoogleビジネスプロフィールの整備やSNSアカウントの開設といった、無料で始められる施策から着手することをおすすめします。

そこで効果が見えた施策に対して、予算を投下していくのが賢明な進め方です。

新規患者を増やす集客方法

自院の現状を把握して、何が必要か見えてきたら、具体的な集客のための施策に移ります。

新規の患者を増やすためには、主に以下のような方法があります。

  • ホームページのSEO対策
  • ホームページのLLMO対策
  • Googleマップ(MEO)対策
  • SNSの活用
  • 動物病院ポータルサイトの活用
  • チラシの活用・他業種との連携

それぞれの方法について、分かりやすく解説します。

ホームページのSEO対策

ホームページのSEO対策(Googleなどの検索エンジンで上位表示を目指す施策)とは、Web検索した飼い主の目に留まりやすくすることです。

ホームページ内にブログを設け、飼い主が知りたいと思う情報を継続的に発信することが有効です。

例えば、以下のようなテーマが考えられます。

  • 犬の熱中症対策
  • 猫の泌尿器疾患について
  • 子犬・子猫のワクチン接種時期
  • ノミ・ダニ予防の重要性

専門性の高い動物病院の情報は、検索エンジンからも評価されやすい傾向にあります。

飼い主の悩みに寄り添うコンテンツを積み重ねていくことで、ホームページが強力な集客ツールへと成長していくでしょう。

ホームページのLLMO対策

LLMO対策(対話型AIの回答に引用されやすくする施策)は、比較的新しい考え方です。

今後、AIと会話するように情報を探すのが一般的になる可能性を見据え、AIが自院のホームページの内容を理解しやすいように情報を整理しておくことは、結果として未来への投資となります。

具体的な対策として挙げられるのは、ホームページに「よくある質問(FAQ)」のページを作成し、「初診時に必要な持ち物は何ですか?」といった質問と回答をセットで分かりやすく記述することなどです。

見出しや箇条書きを使って情報を構造化することも、AIの理解を手助けします。
まずは自院のホームページの情報が、人間にとってもAIにとっても分かりやすい構成になっているかを確認することから始めましょう。

Googleマップ(MEO)対策

MEO対策とは、Googleマップで検索された際に、自院の情報が上位に表示されるようにすることです。
地域に根差した動物病院にとって、最も即効性が高く、来院に直結しやすいWeb集客の施策と言えます。

まずは、Googleビジネスプロフィールに登録し、以下の点を最適化しましょう。

最適化する項目具体的なアクション
基本情報の登録住所や電話番号、診療時間、休診日、駐車場の有無を正確に入力
写真の充実外観や受付、診察室、設備、スタッフの写真を多数掲載
口コミへの対応来院した飼い主からの口コミに、感謝や改善点を丁寧に返信する

院内の雰囲気が写真で伝わることや、口コミに真摯に対応する姿勢は、飼い主の安心感につながります。
この対策は無料で始められるので、最優先で取り組むことをおすすめします。

SNSの活用

SNSは単なる宣伝ツールではなく、病院の雰囲気やスタッフの人柄を伝えて、飼い主との信頼関係を築くためのコミュニケーションツールとして活用できます。

SNSの各媒体における特性に合わせて、発信する内容を使い分けるのがおすすめです。

SNSの媒体活用例
YouTube病気の予防方法や食事管理方法などのお役立ち情報
Instagram看板犬・猫の日常、トリミング後の写真、院内の雰囲気などの紹介
Facebook季節の病気の注意喚起、院内セミナーや休診日の告知、スタッフの紹介

動物病院を選ぶ際、飼い主は診療技術だけでなく「安心してペットを任せられるか」という点も重視します。

SNSを通じて温かい雰囲気を発信し、飼い主との距離を縮めることで、来院への心理的なハードルを下げることができるでしょう。

動物病院ポータルサイトの活用

Calooペット」や「EPARKペットライフ」といった動物病院専門のポータルサイトは、新規患者を獲得するための有効な窓口です。
これらのサイトは、複数の病院を比較検討している、来院意欲の高い飼い主層が利用しているといえます。

自院のページに、得意な診療科目や導入している設備、大切にしている診療方針などを詳しく掲載することで、他院との違いをアピールできます。

ポータルサイトへの登録とともにオンライン予約システムと連携させれば、飼い主の利便性も高まるでしょう。

ただし、サイトによっては掲載料や予約手数料などのコストが発生する場合があるため、費用に見合った効果が得られているかを定期的に確認することが大切です。
また掲載情報は、常に最新の状態に保ちましょう。

チラシの活用・他業種との連携

Webでの集客が主流となる一方、オフラインでの施策も有効です。
特に、特定のエリアにおける住民へ集中的に周知したい場合に力を発揮します。

また、近隣のペット関連事業者と連携することも、新たな来院につながる施策の一つです。
連携先の候補としては、以下のような場所が挙げられます。

  • ペットショップ
  • トリミングサロン
  • ドッグラン、ペットホテル
  • ペット同伴可のカフェ

例えば、近隣のトリミングサロンに自院の紹介カードを置いてもらい、代わりにサロンのチラシを院内に設置するといった、相互に紹介し合える関係を築くのが有効です。
これにより、自然な形で飼い主へアプローチできます。

ただし、チラシを作成する際は、農林水産省が定める獣医療法の広告制限を遵守しましょう。

リピーターを増やす集客方法

新規患者を増やすことと同じくらい、一度来院してくれた患者に継続して通ってもらうこと、つまりリピーターを増やすことも経営の安定には不可欠です。

リピーターを増やす具体的な施策には、以下のようなものがあります。

  • LINE公式アカウントの活用
  • 地域連携・イベント活用

ここでは、それぞれの施策を詳しく見ていきましょう。

LINE公式アカウントの活用

多くの人が日常的に利用しているLINEは、飼い主との継続的な接点を保ち、再来院を促すための強力なツールになります。

一度「友だち登録」をしてもらえれば、病院からの情報を直接、確実に届けられます。

配信するコンテンツとしては、以下のようなものが考えられるでしょう。

  • 予防接種・定期健診のリマインド
  • 季節性の病気に関する注意喚起
  • ペットの健康に関する豆知識
  • 臨時休診や診療時間変更のお知らせ

飼い主にとって有益な情報を定期的に配信することで、病院とのつながりを維持して、忘れてしまうことを防ぎます。

個別の診療相談には対応しないなど、あらかじめルールを決めておくと、スタッフの負担を抑えながら効果的に活用できます。

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地域連携・イベント活用

院内でセミナーを開催したり、地域のイベントに参加したりすることも、リピーター育成につながるでしょう。
診療という緊張感のある場面以外でコミュニケーションをとることで、飼い主との信頼関係がより深まります。

例えば、以下のようなイベントが考えられます。

  • 院内でのパピー教室
  • シニア犬のケアセミナー
  • 地域のペットイベントへの出展
  • 無料の健康相談会

こうしたイベントは、既存の患者との関係を深めるだけでなく、まだ来院したことのない飼い主(潜在顧客)に自院を知ってもらう絶好の機会です。

イベントの告知は、SNSや院内掲示などを活用し、広く参加を呼びかけましょう。

動物病院が今すぐ始められる集客方法まとめ

この記事では、競合増加や人手不足といった課題を乗り越え、安定経営を実現するための具体的な集客戦略を網羅的に解説しました。

目標設定から始まり、効果がすぐに出やすいGoogleマップ(MEO)対策や、リピーター育成に欠かせないLINE公式アカウントの活用まで、自院の状況に合わせて明日から実践できる施策が明確になったはずです。

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